気を楽にしろ、粗忽屋

気を楽にしろ、粗忽屋

オタク趣味を楽しくインテリアに生かす研究に従事。100均リメイク・ミニチュア・雑貨工作etc.ワンピース フィギュアのお洒落なディスプレイの探求者。心の平穏を大切に。

人はなぜ、ガンダムとヤマトの声優に異常反応するのか

異常反応してるのは私の半径2メートル限定かもしれないので、先に謝っておきます。すまぬ。

目を輝かせる元少年たち

全然まったく漫画アニメに興味がない会社の先輩に、
何故か「沖田艦長の声」にだけ異様に反応する男性(9歳上)がいる。

ずっと昔、共通の知人の家でワンピースがTVで流れてて、それまで画面ガン無視だった先輩が、クロッカスさんが喋ったとたん、
「沖田艦長だ!」と急に反応して目を輝かせたので、大変ビックリしたものです。
なんでそんな喜ぶ。古代進かアンタ。
割と最近、実写ルパンについて話が出たときも、
「銭形警部って、沖田艦長の声だよな!」とやっぱり目がキラキラ嬉しそう。

f:id:Tranquilo:20170419223352j:plain今サイトで観たけど、徳川機関長の「エネルギー充填120%」には惚れる

そういや、年の離れた私の兄も、昔から漫画アニメをバカにしてたけれど、社会人になってもナレーション等の「ブライトさん」にだけはやたら反応し、いちいち「ブライトさんだ!」と口に出さずにおれない奴だった。(しかも毎回律儀に敬称つき)
同じく立派な非オタの友人の姉上が、宮崎駿の「名探偵ホームズ」ハドソンさんの声に「森雪だ、かわいい」と評価なさっていた記憶もある。
なんでだろう。
アニメに興味ないフリをして、実は彼らも「中の人萌え」だったのか?(ちがいます

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忘れてたけど、私も小さいときナウシカのユパ様が沖田艦長と気づいて喜んでたし、鷹の眼のミホークに「真田さんだ!」と叫び、池田秀一の声には幾つになっても「シャア様」反応。
ヤマトとガンダムの公開当時世代ではないし、他にたくさんの作品を好きだったけど、この2作品の声優さんへの異常反応はいまだに健在。
私の身辺には今のところ4人しか例がないけど、職場、家族、友人のいずれも「非オタ」人でこの確率なら、結構な実数に上ることが想定できます(私は最近声優沼に踏み込んじゃったので除外)。
皆さまの周りはいかがでしょうか?

低い地位、高い力量

むかし、声優・吹き替え役者の地位は低かった。

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ヤマトやガンダム放送当時は、今のように嗜好ジャンル・職業として「声優」が確立すらしていなかった。
ヤマトにより声優ブームが起こったが、それでも現在の状況とはまるで違った。
[※ちなみに、沖田艦長の納谷悟朗さんは「声優」の前に「俳優」として役に向かい合っておられました↓。ここでは便宜上、声優の呼称を用いますが、どうかご容赦ください〕

納谷悟朗 - Wikipedia

作品のファンなら名前や顔を熟知していても、特にアニメや吹き替え作品が好きでもない非ヲタ人は「声優」ときいても全然ピンとこないレベルだったでしょう。
(現代なら、日中のTV番組に声優トピックが出たりして非ヲタ人の目に触れる機会は増えたし、週刊誌で声優の私生活スクープが載るほど声優ファン需要があり、子供のなりたい職業ランキングに「声優」が堂々と入ってる)
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当時は買い手がそんなだから、売り手も声優をクローズアップしないし、「声優で人寄せ」なんてありえない。
作品自体、「いまこういうアニメ人気だから」「この声優のファン凄いから」という「人気に乗っかった」製作ができる状況ではなかった。

ゼロと不遇を変えた圧倒的力量

次世代の「非・アニメ好き」をも魅了する
そんな「何もない」状況から生まれて、数十年たっても登場人物の声が慕われている作品、役者。
「アニメ好きじゃなければ食いつかない時代」に製作されていながら、「次世代のアニメ好きじゃない」人たちにも愛されてる、ここがホントに驚異的。
さっき「何もない状況から」と書いたけど、「ゼロ」というのは限りない「可能性」も含んでいる。
しかしゼロから何かを形にするには、安易な姿勢や力量では叶わない。
大切なのは「見返りにこだわらず情熱にこだわる」とみた
この二つ、改めて背景も覗いてみると「日本のものづくりの強さ」にまで想いを馳せざるをえないほど、すごい作品だった。
トーリーや人物のキャラクターも、役者の演技も。
ヤマトについては、これ書いてたら沖田艦長の声を聴きたくなって、動画サイトでヤマト発進シーンを観たけど、あの岩石の細かい動きを、あんなに滑らかに、手書きで作ってる凄さ。

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当時の技術はそれしかなかったとはいえ、やるかやらないか私が判断する立場なら確実需要もないならやりたくないし、やったって誰もがあの品質を生み出せるわけじゃないと思う。
現場モチベーション的にも成功を約束された作品ではなかったでしょうし、今よりもアニメ制作者・吹き替え役者への給料は低かったときくし。
それなのにこのこだわり、この技量。
そうした一級映像と、魅力的な物語設定、渾身の役者の演技、それらでヤマトとガンダムはできている。

沖田艦長は元・少年たちの心のふるさと

現役世代なら、「こんなの初めて!」のインパクトゆえに忘れられないのはありがちだけれど、当時を知らない次世代の心をも、ガッチリキャッチして離さないヤマトとガンダム
これを伝説というかはわからないけれど、その作品の魅力と、役者の演技は、きっとこの先も変わらぬ引力を持ち続ける。
作品が生まれて何十年が過ぎても、当時を知らず、役者の名前も知らないのに、「沖田艦長だ!」といいオッサン(ごめん会社の古代先輩)の目をキラキラ輝かせちゃうほどに。

「何もかも、みな懐かしい」
タバサの集計(会社の先輩と兄と友人姉と自分だけだけど)では、後発世代ではあるけれど、みんな少年少女期にヤマト・ガンダムに遭遇しているので、思わぬところで声をきくとよけいに、「なんともいえない懐かしさ」もこみあげてしまうのだと思う。
沖田艦長とブライトさんに至っては、「お父さん」「お兄さん」的な慕わしさもあるのかも。

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いい歳した男の人が、沖田艦長やブライトさんに喜んじゃう様子は、大変ほっこりして微笑ましいので、ずっとこのままでいてほしいなーと思います♪

美術展イヤホンガイドに人気声優を起用する時代だけど

小野大輔杉田智和が」が一般向けに成立
数か月前、上野のゴッホゴーギャン展に行きました。
当時は声優に興味がなかったので、まったく無頓着でしたが、最近片付けしてて見つけたチラシみて叫びそうになった。
「音声ガイド:小野大輔、杉田智一」の人気声優コラボ。

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「女子多いなー、流行ってんのか印象派?」とノンキに思ったけど、そういえば若年層のイヤホンガイド率、他の展覧会より高かった。テンション高い女子も目立ってて、「ゴッホゴーギャンはBLとかではないはず…どうしたんだろう…?」と首を傾げてたんだった。
このゴッホ展自体、非常に面白く大人気でしたが、この「声優コラボ」はさらなる「客寄せ」に貢献したと思われます。

これって、ヤマトやガンダム公開当時には絶対なかった客寄せ手法。
昔だったら、たとえヤマトやガンダムがブレイクしたブーム当時であっても、美術展の音声ガイドとして「納谷悟朗永井一郎がご案内します」という表記が成立していただろうか。
「沖田艦長」と「徳川機関長」がイヤホンガイドなら
先日、科学博物館の「大英自然史博物館展」を堪能してきましたが、もしこれのガイドが納谷悟朗永井一郎だったら、強烈だったろうなぁ!(大英自然史博物館は、ドラマチックな探検史と密接な関係にあるし)
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納谷悟朗永井一郎が展示品の背景故事来歴を読み上げたりしたら、それだけで、「アタクシめちゃくちゃ波乱万丈で大変でしたけど、乗り越えてココに展示されてるんです!」という展示品の身の上がよく見えて、「ああ、そうだったのか…!」と思い入れひとしおで鑑賞することができたことでしょう。

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ダーウィンとペットのガラパゴス亀の会話」はやってくれないまでも(誰が書くんだそんな台本)、テラ・ノヴァ南極遠征のスコット大佐の、死を目前にした日記の最後の一説をこの二人に朗読されたら、目頭おさえて展示品を見る人続出、まちがいない。
 
今の声優業界の勢いには驚くばかりだけれど、この人気のどこかにも、ヤマトガンダム時代の役者さんの力が土台として存在しているんだろうなぁ、としみじみし感慨深くなりました。