スクリューキャップ瓶の溝を埋め、アンティークボトルのように変身させる & ネジ式瓶の歴史
ネジ式の蓋の瓶の口についている、スクリュー用の溝。
コレを、できるだけ簡単に「なかったこと」にして、ワインボトルやアンティークボトルの瓶口のようにできないかを試行錯誤した結果報告と、コルク瓶とネジ式(スクリューキャップ)ボトルの起源や歴史について調べた結果です。きっかけは東京蚤の市で遭遇したカップル
先日の東京蚤の市で、タバサと連れは偶然、数か所で同じカップルと鉢合わせました。
↑ (注)イメージです
「これと同じものが先週の代官山にもあったけど、そっちはね…」等々幅広い見識の持ち主らしく、3件目で鉢合わせた頃には、タバサ&連れもなんとなく無言で、その彼氏の解説に耳を傾けていたほどでした。
↑ (注)イメージです
「ほら、こういう瓶にはネジ蓋の溝がないだろ?
つまり、コルクしか栓が存在しなかった昔の瓶という証で、ここにスクリューの溝がついていたら、最近の瓶ということなんだよ…」と丁寧に解説。
言われてみればそうかも!
では、最近の瓶でも、スクリュー溝をなくせば、アンティークっぽくなるのか?
どういう手段で「瓶の溝」を消すか?
- 紙工作用ニス
手軽で3つの中では比較的人畜無害ですが、瓶口に塗ってる間に垂れてきそう。
塗ってから扇風機の前で超高速で回し続けない限り、くまのプーさんのハチミツ壺状態になることが容易に想像できたので、回避。
- レジン
使ったことはないけれど、太陽は頼まなくてもガンガン照り付けてるし、レジンはニスより粘度が高そうなので、できるかも? - 透明マニュキュア(トップコート)
一度に厚塗りはできないけれど、速乾タイプが売ってるし、乾かして塗り重ね…を繰り返せばいけるかも?
マニュキュアで試してみた
使用したアイテム
100均セリアの速乾トップコート(透明マニュキュア)。
マニュキュアを使った方法
瓶の溝にぬる ⇒ 乾かす(フーフー吹く) ⇒ 塗る ⇒ 乾かす(フーフー吹く) ⇒ 果てしなくリピート
結果
ビフォア~before~
↑ 製菓用リキュールDOVER(下の右から2番目)と、セリア小瓶で実験しました。
↓
アフター~after~
・何度くり返して重ねても、中々ぶ厚くならない。
・気泡がものすごい。
元のスクリューの線に沿って気泡がすごいので、スクリューが余計目立つ。
・マニキュア臭くてたまらない!(希少な脳細胞がさらに減った)
・瓶の口の溝は、ぜんぜん消えなかった。
UVレジンで試す
使用したもの
UVレジンを使った方法
2)爪楊枝で平らになるよう、ざっくり形を整える
3)太陽光にあてる(超晴天なら15分~20分)
静止しているとゆっくり垂れて偏ってしまうので、ある程度固まるまでは、グルグルグルグルまわしたり、上下さかさまにしたり、ひたすら動かし続ける。Just keep on Moving.
4)ある程度固まったら、ほっといて大丈夫!
瓶だけ外に置いて、自分は部屋に入る。
人生初のレジン体験が、こんな偽装工作になるとは、ちょっとトホホです。
5)※UVランプを持ってる人は、「(3)⇒ライトにあてて終了」です。
結果
ビフォア~before~
↓左から、料理用ワイン瓶、ニッカウィスキー瓶、マニュキュアでも使ったDOVER瓶
アフター~after~
ビフォア~before~
↓ 蚤の市戦利品の小瓶
アフター~after~
・雑にやるほど気泡が入るが、それもアンテイークっぽいと言い張れなくもない。
・多少いびつになっても、重ねて修正すればよいので非常に簡単。
・元のスクリュー溝(ネジ溝)がまったくわからない仕上がり!!
ネジ蓋(スクリュー式)瓶って、別に悪者じゃないよね…?
最近の瓶でもコルク栓の瓶はたくさんあるし、そもそも、スクリュー(ネジ蓋式)ボトルって、どれくらい「最近」の物なの?
いつ頃の発明なの?
と疑問が沸いたので、ちょっと調べてみました。
スクリュー(ネジ式蓋)瓶とコルク瓶の歴史
コルク瓶の歴史(はじまり)
16世紀頃まで、飲料容器は陶器、金属、木材、皮などでつくられ、密封用の栓は蝋や天然樹脂。
1500年初めのイギリスの文献に、容器の栓の材料としてコルクに関する記述がある。
その頃、ガラス製造技術が進展し、かなり均一なネック部をもつガラスびんがつくられるようになった。
また、コルク栓が使用されるようになり、ガラスびんがワイン用ボトルとして用いられるようになった。
(日本包装学会HP)
「日本ガラス瓶協会HP」にも、「1650年頃の世界の動き:コルク栓が大量に使えるようになり、ビールびんやワインボトルの利用が急速に広がる。」とある。
17世紀末には、一般的にコルクワインが出回っていたようです。
スクリュー(ネジ式蓋)キャップ瓶の歴史(はじまり)
「1858年、ジョン・ランディス・メイソンが革新的な瓶(メイソン・ジャー!)で食糧保存技術に革命を起こした。
それまでの錫板を樹脂で密着させたものよりも、強力な細菌防御として溝のある口を特許とした」
WIKIPEDIA の「ボトルキャップ」の項目にも少し記述が。↓(超意訳です)
「スクリューキャップは、そもそもは「内側に溝のあるデザイン」だった。
“内側に溝のついた”ガラス瓶は、ピッツバーグのWilliam Frank & Sons社のハイマン・フランクが1872年に特許を取った。」
(タバサが説明用にもってきました)
Bottle Finishes & Closures(瓶の口と栓について)というサイトページから。
ここには上記の「内側に溝のある瓶口」については(超意訳です)、
「1890にはBergeという書物?が触れている。
他に「内部スクリューキャップ」「内部スクリュー口」等々呼び名がある」
「ニューマンの“外側に溝のある瓶口ボトル”に、1876年特許刻印あり」とあります。
↓ ニューマンの「外側にネジ溝のついた瓶口」をもつ瓶の全体像
本日のまとめ
ネジ式瓶のスクリュー溝はなくせるのか?
UVレジンがおすすめ(飲食用には絶対使用しちゃダメ!)
最近の瓶でも、スクリュー溝をなくせば、アンティークっぽくなるのか?
⇒ みる人の感覚と、瓶による。
タバサには瓶によっては凄くそう見えるし、あまり変わらないと感じる瓶もある。
コルクワイン瓶とネジ式(スクリュー溝つき)瓶の起源(歴史)
1500年代初頭:コルクが容器の栓として使われ始める
:ガラス技術が向上し、飲料瓶として製造が開始される。
1650年頃:コルクのガラスワイン瓶が広く流通しはじめる
1858年:保存技術として、瓶口に溝をつけた(メイソンジャー)
1872年:「内側に溝のついた」ガラス瓶で特許をとる(フランク)
1876年:「外側に溝のついた瓶」の特許を持っている(ニューマン)
1898年:飲料専用(ウィスキー)スクリューキャップで特許(レノルズ)
言葉にも不安があるのでちょっと自信ないですが…。
「溝のある瓶」でも、十分アンティークな物もある
これは予想外の収穫で、新鮮でした。
瓶にも、アンティークにも、ホントに色々あるんだなー…
というか、ホント全然知らないなー私。
↑(注)イメージです